
(学研「日本タテヨコ JAPAN AS IT IS」より)
【書道】
書道は毛筆と墨を使い、漢字や仮名文字を書く一種の造形芸術である。
西洋でも、文字を象形化したり装飾化するカリグラフィーの伝統はあるが、書道のもつ芸術的奥深さには及ばない。
アルファベットと比べ、文字それ自体がもつ意味や毛筆の多様性などが、書道を芸術へと高めた。
昨今は外国人にも感心が高まっている。
正月の2日、新年に初めて文字を書く書き初めの儀式は今日も残っており、吉方に向かってめでたいことばや詩歌を書く。 小中学生の大がかりな書き初め大会も、例年催されている。
■書道の歴史
日本の書道はもともと中国の王義之が祖と言われ、中国の書が日本に入ったのは奈良時代である。
平安時代前期には空海、嵯峨天皇、橘逸勢の3人が特に三筆と言われ、中国風の雄勁な書風を代表した。
さらに中期には小野道風、藤原佐理、藤原行成が現れ、三蹟と言われた。
彼らはそれまでの中国風に対し、優美典雅な日本風の和洋書道(上代様とも言う)の創造に功績があった。
藤原行成は世尊寺流を興し、また、小野道風は青蓮院流(後の御家流)など後代の書道に大きな影響を与えた。
南北朝時代に興った御家流は、江戸時代には一切の公文書に採用され、また寺子屋でも習字にもっぱら使われた。
このように、書は時代を象徴する雰囲気を有し、今日、書道ブームと言われるほどの隆盛の中で、バラエティーに富んだ自由な書が愛好され、また、女性書家の進出が目立っている。
■書体の種類
文字の書体には、楷書、行書、草書、それに仮名がある。
楷書は字形が方正で、動きが少なく、安定した書体のため、真書とも言われる。
行書は楷書と草書の中間的存在で、楷書では固すぎ、草書では難解であるために考え出された書体。
草書は行書をさらに崩し、点画を略したものを言い、最も早く書くことができる。と同時に、造形上の自由が大きいために、芸術性も高いところから、書家に愛されている。
この草書体の究極に生まれたのが仮名で、平安時代、主に女性によって使われたので、女手とも呼ばれ、和歌の流行とともに発展した。漢字の雄渾に対して、優美、流麗である。
書は表現美(線、形、流れ、余白、墨色など)と内容美(風格、意味)、さらに書家の人ととなりがあいまって成立、鑑賞される。
(学研「日本タテヨコ JAPAN AS IT IS」より)
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