織道楽 塩野屋
 (京都府上京区)

絣くくり

2002年4月5日

徳永絣加工所
徳永 ひろし

京都市上京区仁和寺街道七本松東入ル白竹町

絣(かすり)とは、経糸を模様に応じて括り(くくり)、手染めした後、絣の柄に合わせて模様を作っていきます。ここでは、柄をずらす前の、経糸に横縞模様を作る工程をご紹介いたします。

 




| 枠張り | 絣くくりT・墨打ち | 糸束を染める | 絣くくりU | 

 

枠張り
へそ上げされた糸は、張力を掛ける為に一旦小太鼓左のドラムのような道具)に巻き、そこから大枠おおわく)という大きな枠に巻いていきます。
大枠には4隅に「つめ」がついています。柄によって、つめを伸び縮みさせ、枠の大きさを変えていきます。
このように、大枠に糸を巻き取ることを枠張りわくはり)と言います。
ここでの作業は、6反分ぐらいの長さで行なわれます。
ここで仮括りかりくくり)をします。
括り易い太さを決め、糸がばらばらにならないようにする為の作業です。

絣くくりT・墨打ち

墨打ちすみうち)」とは、染める部分と染めない部分を決める作業です。

意匠にそって絣模様をつくります。
「墨打ち」用の道具です。
柄に合わせ、括る場所の寸法を書き写した「芯墨しんずみ)」を作ります。柄に合わせた専用のものさしです。
今まで作られてきた絣柄の芯墨がぶら下がっています。
括る部分に目印の墨打ちをしていきます。
同じように下側に印を付けていきます。
上下に打たれた目印を基に、糸束全体に墨打ちをします。
括る巾に合わせて、紙を裁断していきます。
墨打ちした部分を紙で巻き、糸でしっかりと括ります。これを「絣くくり」と言います。
しばられた部分は染液に浸けても染まらず、糸束は染まる部分と染まらない部分に分けられます。

糸束を染める
括ったところに色がにじまないように、糸をよく水に浸してから染色します。糸が乾燥していると、括っている中に、染料が入り込んでしまいます。
驚いたことに目分量で、色の3原色を組み合わせ、染液を作っていきます。まず糸束に試染し、色見本と照らし合わせて確認します。
糸が細い為、2人が同じ呼吸で糸束を持ち上げ、回しながら染めていきます。。
染液は100度に近い熱湯です。高温の方が繊維の芯までしっかりと染まるからです。
途中何度か色見本と色の確認をしていきます。
足らない色を目分量で補っていきます。
染め上がりました。余分な染料を、水道水(流水)で色落ちしなくなるまでよく水洗いします。
次にソーピング液に浸け、色止めをします。
意匠によって多くの色が使われます。今回は一つの柄の中に二つの柄が重なり合って構成されているので、染める色も数回にわたります。 絣の色を染めるのが得意な三戸染工の池戸さん夫妻。見本よりも深みのある色に染め上げてくれる、信頼の染め屋さんです。

絣くくりU
染め上がった糸を「うま」と言う道具にかけて括っていきます。 自分の括りやすい高さに順番通りに並べていきます。

今回は染め上がってきた茶色の残したい部分を括っていきます。上からゴムのチューブを巻きつけるので、糸がよじれたり痛まないように、ビニールシートで保護しておきます。 シートの両端を糸で括ります。しっかりとした括り方で、しかも手早く簡単にほどけます。

シートの上からチューブを巻きます。一度巻くだけでは、糸束がよじれてしまう為、チューブを往復して巻いていきます。

2度目の「くくり」の完成です。
チューブを巻きつけた糸は、たいへん重くなっています。2人で「うま」からはずします。
徳永さんの家では、糸の方が偉いので、糸を直接下に置くことはありません。いつも座布団を敷いています。
二度目の染めが、三戸染工に出されます。すべての染めが終わると、
次はいよいよ経糸をずらし「二重壺垂れ」の誕生です。

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