織道楽 塩野屋
 (京都府上京区)

精練・染色

2002年2月13日

寺井染工
寺井一雄

京都市上京区今小路御前東入ル

寺井染工では、御召に使用する経(たて)糸の精練と、染色をします。経糸と横糸では精練の仕方が異なります。ここではまず、経糸の精練と染色をご紹介します。




絹の原糸に撚り(より)をかけた生糸のままでは、絹と言えども固くてごわごわしています。「精練」とは生糸の表層に付着しているセリシンを取り除く工程を言います。精練が完了することで、絹独特の白度と艶が出てきます。「染色」する前に糸の精練をおこなうのは、糸に染料が均等に浸透する為の、たいへん重要な工程となります。




| 精練 | 染色 |

精練
寺井さんは、原糸を持った感触と糸の艶で、糸の良し悪しがわかるそうです。
作業中に糸がもつれないように、(すが)のまま機械に入れます。

原糸1kgにつき約250gのセリシンが付着しています。40分から1時間の間、お湯と精練剤で煮沸します。

高温(約95度)の噴射式の綛染(すがぞめ)機により精練します。
精練が終わったら脱水します。こうしてセリシンを除いた繊維を「練絹(ねりぎぬ)」と呼んでいます。

原糸よりも白度が出ています。特に染色によって微妙な色合いが求められる場合は、染める前に漂白する必要があります。今回は精練された白い糸の状態で、次の整経工程へと移ります。


染色
グレーと言えども、微妙な濃度差のある色見本が置かれています。この色見本と同じ色を染め出していきます。
染色データーに基づき、計量した染料を準備しておきます。
染料は、色の三原色で組み合わされます。これだけの染料で、繊細な色が染め出されるのに驚きます。
この大きな染色鍋で染めていきます。
染料がムラなく溶けるように、棒でよくかき混ぜます。
綛(すが)を竹ざおにかけ、染浴(せんよく)に浸して、色ムラが出ないように、綛を手かぎで回すように染めていきます。
絹はデリケートな繊維です。攪拌や糸同士の摩擦が起きないよう、注意しながら染めていきます。 見本の色に染め上がってきたことを、寺井さんの感覚で判断し、綛糸の水分を絞ります。
色見本と照らし合わせます。どの色目が不足しているのか、自分の目で判断します。
ここからは寺井さんの勘。目分量で染料を少しずつ加えていきます。
釜の中に染料を少しずつ足していきます。このような作業を何度も繰り返し、色見本どおりの色に染めていきます。 若干湿り気の残っている綛糸と、色見本とを合わすことができるのも、長年の勘によるものです。

        *絣はここでご紹介したように、先に糸染めをするのではなく、経糸を括ってから糸を染めるので
         今回の「二重壺垂れ」を作っていく工程では、この段階での「染色」は行ないません。

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