織道楽 塩野屋
 (京都府上京区)

糊つけ

2002年9月8日

渡邉加工所
渡邉長藏

京都市上京区六軒町中立売上ル

これから織物に仕上がる迄には、まだまだ多くの工程が残されています。撚糸工程製織では、糸に摩擦や張力の負担がかかり、糸を保護しておく必要があります。また糸の撚りが、織り上げていくまでに戻らないようにするのも糊つけの大切な役割です。糊つけされた糸は、伸び縮みが少なくなり、張りが出るなど糸の扱いがしやすくなります。ここでは、その大切な「糊(のり)つけ」の工程をご紹介します。

 





| つけ込み | 脱水 | しぼり合わせ | 揉み込み | 糸分け | 干し上げ | 

つけ込み
【姫のり】
【甘藷澱粉(かんしょでんぷん)】
【布海苔(ふのり)】
布海苔を弱火に約4時間かけて溶かします。特にかんしょう澱粉は御召にのみ使用されます。3種類の糊が、本シボ御召に適切なように調合され、やや粘りのある糊になります。風合いの大切な御召は、体に優しい自然の糊のみを使用しています。糸の太さ、糸の種類によって糊の調合は微妙に変わってきます。
北川さんから、練り加工した糸が湿った状態で届けられました。糸が届けられる日時を確認し、その日に合わせて糊が調合されます。

溶いた糊を、細い糸の一本一本に浸透するように、目の細かい漉器(こしき)で漉します。

糸綛(いとすが)」を糊に浸け、揉み込みます。
この状態で一晩浸けておきます。

脱水
一晩おいた糸綛を脱水します。均等に絞ることができるように、ていねいに脱水機に入れていきます。 脱水を2回ほどかけます。糊が勢いよく出てきました。
脱水機のなかった頃は、この道具を使って絞っていたそうです。

しぼり合わせ
この2本の木に棒を渡し、そこに糸綛をかけて作業します。
何十年も使用されている道具です。
脱水した一束ずつを棒にかけ、湿りと糸並びを整える仕事です。
作業には、軽い竹が使用されます。棒をぱんぱんと力を入れて、引っ張るように糸をよくはたきます。糸のもつれをほどき、糸の並びを整えることを「さばく」と言います。
竹をねじって糊を絞リ出します。表面にうっすらと浮き出た糊を手でなじませていきます。
これで糸の張りと湿りが均一になります。

揉み込み
さらに糊が糸の表面にまんべんなく着くように、しっかりと揉み込んでいきます。
 


糸分け
一綛ずつ、「ひびろ(綛が乱れないように交差するように入れる別の糸)」を揃えながら、整え並べていきます。
左撚りの糸綛と右撚りの糸綛が、一対となるように糸分けをしていきます。

干し上げ
干す前に、もう一度ひびろを揃えながらさばいていきます。こうして糸を綺麗に整えておくことで、もつれることがなく、次の糸繰りがスムーズになります。
揃えた糸綛を、そのまま横にスライドしていきます。

左撚りが4綛、右撚りが4綛の8綛で「大ひびろ」 と言います。
このまま竹竿を天井に上げて干します。
夏場であれば約2日間、自然乾燥させます。
干し上げられた糸は、とても美しいものです。次にこの糸は本撚りの工程へと移ります。


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