| 日本の暮らしは、木と紙の文化だと言われます。その中でも、特に越前和紙はその品質の高さと種類の豊富さが有名です。横山大観や竹内栖鳳など日本画の大家からも愛された和紙を、今も漉きつづける岩野平三郎製紙所を訪ねます。
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| 和紙の里 今立町 |
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越前和紙は1500年の歴史を持ちます。中国から朝鮮半島、そして日本へ伝わり,、この地に根付きました。
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川上御前(かわかみごぜん)
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今立町大瀧(おおたき)にある岡太(おかもと)神社は全国で唯一の紙の神様、川上御前を祀(まつ)っています。
1500年前に岡太(おかもと)川上流に美しい姫が現れ、この地で紙を漉くようにと言い、人々に漉き方を教えて消えてしまいました。以来、この女神を川上御前としてこの地に岡太神社を建て祀られています。
国の重要文化財に指定された、その優美な社殿に、この地の紙を漉く人々の厚い信仰を集めてきたことが伺えます。
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紙漉きの里
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水
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寒漉き
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| 和紙の歴史 |
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和紙は2000年前に中国で発明されました。そのときの原料は麻でした。
仏教伝来と共に日本にも伝わり、楮(こうぞ)や雁皮(がんぴ)という木の皮を使って「流し漉き」という日本独自の技法が発展しました。
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| 岩野平三郎製紙所の歴史 |
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初代岩野平三郎
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| 明治から大正時代、一人の名人がこの地に生まれました。初代平三郎さんは大変な研究熱心で、紙漉きの達人と言われました。従来の越前和紙に飽きたらず、様々な様式を考案し、原料の配合に工夫を重ね多くの模様を作り出す一方で、中国伝来の麻の繊維で漉く「麻紙」の復元を成し遂げました。 |
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日本画家との交流
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その麻紙の復活によって、近代の日本画は飛躍的発展を遂げたと言われています。
横山大観、小杉放庵、竹内栖鳳ら近代画の巨匠たちと交流し、白麻紙、雲肌麻紙など後世に残る日本画紙を創り上げました。 |
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岡大紙
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薬師寺復興写経
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大唐西域壁画(だいとうさいいきへきが)
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昭和55年に玄奘三蔵院(げんじょうさんぞういん)が建立(こんりゅう)され、そこに平山郁夫画白が大唐西域壁画を描くことになりました。三代目平三郎さんは平山画伯に直接会い、紙の種類、大きさを相談して決めました。
2年間かけて道具類、工房を整えて、2m70cm×3m80cmの大きさの雲肌麻紙(くもはだまし)50枚を漉き上げ、昭和58年に納めました。 |
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打雲紙(うちぐもし)
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雲肌麻紙(くもはだまし)
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| 和紙の種類 |
| 越前和紙は紙の種類が多いことも特徴のひとつです。 |
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奉書紙(ほうしょし)
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鳥の子紙(とりのこし)
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局紙(きょくし)
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麻紙(まし)
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美術工芸紙
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| 和紙の原料
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| 和紙作りの工程 |
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煮る
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| 煮釜(にがま)まで原料を煮ます。2〜3時間くらい煮ると柔らかくなってきます。十分煮上がった原料を取り出して、水にさらして漂白します。
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ちり取り
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| 水の中で木の繊維の小さな傷やホコリを一つ一つ人の手で取り除いていきます。大変根気のいる冷たくつらい作業ですが、これが美しい和紙を作るための大切な工程です。 |
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叩解(こうかい)
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| 繊維をほぐす作業です。機械化はここだけ。大正時代に機械化したそうです。
昔は樫の板の上で欅の棒を使って叩いて繊維をほぐしていました。 ここで原料同士を混ぜたり色染めをしたりします。 |
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ネリを繊維と混ぜる
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| ほぐされた繊維とネリを混ぜて漉きます。漉槽(すきそう)にはった水の中に原料を溶かし込み、ネリを入れてよくかき混ぜます。 |
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漉く
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| 漉簀(すきす )を敷いた漉桁(すきげた)ですくい、前後左右にゆすって繊維をからませ、紙の層を作ります。この漉き方で紙の厚さや風合いが決まります。紙の厚みなどを確かめるために自然の光の中で紙を漉くのがいいとのことです。
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乾燥
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漉かれた紙は水気を絞った後この乾燥室で乾燥されます。天日(てんぴ)ではなく室(むろ)乾燥が越前和紙の特徴でもあります。
薄い紙は刷毛で、厚い紙はローラーを使って板に貼ります。板は木目がなく滑らかな銀(いちょう)を使います。紙のツヤや特徴をそのまま出すことのできる板です。 |
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| 板にはったまま乾燥室から出てきた紙はへらではがされます。はがした板はそのまま次の紙を両面に貼られて乾燥室へ入れます。その繰り返しが続きます。
そのあと検品を経て完成となります。 |
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| 打雲紙(うちぐもし)作りの工程 |
| 平安時代から伝わる美術工芸紙です。 流し漉きの原理から生まれた模様が雲のようなかたちに漉かれます。 |
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| 左は初代から100年以上に渡って使われてきた「ゲンノウ」です。これで藍などで染めた和紙を40分くらい叩き続けます。そうすることで紙の繊維を細かくするのです。 |
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| 薄く柔らかくなった紙を水につけて、さらに樫の棒で叩き、繊維をほぐします。 |
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| 叩いてほぐした繊維を水に溶かし、それを模様にして漉きます。 |
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微妙な振動で、漉きあがった和紙の上にその繊維を漉き入れて、たなびく雲の形に作り上げます。
「不安定な水を模様にするのです。経験と練習しかありません。」と岩野さん。
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| 思い |
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若い漉き手
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| 岩野さんの工房には紙が好きで遠くから働きに来る若い人がたくさんいます。伝統工芸士の資格を持つ年配の漉き手といっしょにきびきびと働く姿には越前和紙の将来の明るさを見ることが出来ます。 |
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漉くよろこび
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「1枚漉くごとに、良い紙を作りたいなと思います。」
「一番難しいのは厚みなんですが、厚みを揃えながら、きめの細かさとか繊維のからみを見ながら、その努力が紙になって現れて、そのまま干せて、一枚一枚がこの紙になったなぁと思うときが、紙作りの楽しさにつながっていきます。」
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