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酒を入れる器を“徳利”といいます。なんでもどんなケチンボでも酒だけは一人飲んでもおいしくない、だれかと楽しみを分かちあいたくなる、それで徳のあるものだ、徳利となったという話、言伝えの真偽は確かめようもありませんが、ぼくはとても良い話だと思っています。
この徳利には無論いろいろな肌合いのものがあり楽しいけれとも、中でもぼくが推薦するのがこの錫の徳利。粗っぽい仕上がりが金属のもつ冷たさを消してなんともあたたかい、とても心をひかれていきます。
京都は祇園、路地(ろうじ)の奥、白川沿いにある小さな料理屋さか本でも確か使用していたように記憶します。
器のほうで人を選んでしまいそうなしたたかなタイプですが、仲良くつきあうには熱のつたわりが良いので首にまいた竹をつまんで、アチチとサッと盃に注ぐのがコツ。
どこまでも不器用なままでいるのが、この徳利に備わった、それこそ、天性の徳なのでしょう。

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