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極論すると、時計は時間を伝えてくれればそれでイイ、とぼくは思っています。もとより、装飾品類というのが趣味ではないのだから仕方がないのかもしれません。
ゆえにシンプルなデザイン、いわゆる鉄道時計的なタイプがぼくの最も好むところです。
現在使用しているこの懐中時計は、三年ほど前に父(編集部注=裏千家家元、千宗室氏)からもらった、ぼくの愛蔵品中の愛蔵品なのです。特に裏側には、こんな文字が刻みこんであります。“R・F・KENNEDY”ー今は亡きアメリカの元大統領候補ロバート・ケネディがさかのぼること二十六年前に来日した折にいただいた記念品なのです。
先日変なご縁で御息女のキャサリン・ケネディタウンゼント女史にお目にかけたところ、非常に喜んでいただいたのも良い想い出です。
きっとこれからもこのロバート・ケネディ時計と死ぬまでつきあっていくのだろうとも思います。なにしろ、この時計は道具というよりぼくのからだの一部になっているのですから。
撮影 佐藤裕
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