15年ホトトギス入選句 14年ホトトギス入選句 13年ホトトギス入選句
14年清交社入選句 13年清交社入選句 12年清交社入選句

平成15年 雑誌ホトトギス 入選句

雑詠:稲畑汀子選
若水:稲畑廣太郎選

季節
   
掲載月
 
 
気休めによむ句かなしき夜長かな
1月
雑詠
         
 

病室におそろしき闇夜ぞ長し

 
雑詠
         
  仲秋や決意の治療はじまりて
 
若水
         
  片方に傾ぐくせあり夜学の子
 
若水
         
 
病んで身のやや細りゆく秋の風
2月
雑詠
         
 
敗荷や死も又生の中にあり
 
雑詠
         
  運命と聞くこと悲し秋の雨  
若水
         
  秋霖に孤独ばかりが忍び寄る  
若水
         
 
あたらしき茶巾茶筅や炉を開く
3月
雑詠
         
 
一点の疑ひもなく冬日和
 
雑詠
         
 
落葉掻く音にリズムのありにけり
雑詠
         
 
群れ咲いてなほつつましく石蕗の花
 
若水
         
  すきとほる空の果てより冬に入る  
若水



平成14年 雑誌ホトトギス 入選句

雑詠:稲畑汀子選
若水:稲畑廣太郎選

季節
   
掲載月
 
秋9月
 
秋の蝉いのちのうすき歩みなり
1月
雑詠
         
秋9月
 

水引の花の盛りは人知れず

 
雑詠
         
秋9月
  雑草も風に洗はれ秋草に
 
若水
         
秋9月
  明け暮れにうつろふ葉月半ばかな
 
若水
         
夏7月
 
秋耕の老婆二人や暮れ初むる
2月
雑詠
         
夏7月
 
後の月王城古都を従へて
 
雑詠
         
冬11月
 
にぎはひのなかひとりゐて紅葉狩
3月
雑詠
         
冬11月
 
散紅葉あかをかさねてきりもなし
 
雑詠
         
 
独居のひとりごといふ寒さかな
4月
雑詠
         
 
底冷に慣れぬ住み込み二年目と
 
雑詠
         
 
休息も仕事のうちと冬田かな
 
若水
         
 
落日は迅く冬田はのうのうと
 
若水
         
冬1月
  日だまりに妻とならびて春隣
5月
雑詠
         
冬1月
  虚子の句を仕事始めの挨拶に  
若水
         
  湯の国の不意の出迎え霰かな  
若水
         
  湯けむりにあわてて消える玉霰  
若水
         
冬1月
  いつ見ても良く眠る犬日脚伸ぶ
6月
雑詠
         
冬1月
  うれしくてやがてこはくてどんどの火  
雑詠
       
春2月
  かまくらや幼き日々も遠くなり  
若水
         
  共白髪いたはりあって春の園  
若水
     
 
  霞むまま闇に染み入る副都心
7月
雑詠
         
 

あちこちに弾む声して春の川

 
雑詠
         
4月
  わだかまり日に日に解けて辛夷咲く
8月
雑詠
         
  春燈下語り尽くせぬ母も子も  
若水
         
  はくれんの耀くなかにはや翳り  
若水
         
夏5月
  新緑や未来のことを語るべし
9月
雑詠
         
夏5月
  仰ぎ見るときの楽しさ若楓  
雑詠
         
  上着脱ぎサラリーマンの夏来る  
若水
         
夏5月
  マーガレットうなづいて聞く風のこゑ  
若水
         
夏6月
  ぬき足の後にさし足田植笠
10月
雑詠
         
夏6月
  しばらくは散るままに置くえごの花  
雑詠
         
  玉葱をしげしげながむ一日なり  
若水
         
  これなるか鯒の洗いをいざ食はん  
若水
         
  打水をもらひし風にもてなさる
11月
雑詠
         
  草引けば引かれまいとす力あり  
雑詠
         
  虹消えて空に幽かな余韻あり  
若水
     
  追ひかけて終に消えたり虹の橋  
若水
         
  読経止み蝉時雨のみ残りおり 12月
雑詠
         
  日焼の子歯ばかり白く笑いけり  
雑詠
         
  盆礼の客にあわてて身づくろひ  
若水
         
  中元の品で賑はふ夕餉かな  
若水
         


 

 

平成13年 雑誌ホトトギス 入選句

雑詠:稲畑汀子選
若水:稲畑廣太郎選

季節
   
掲載月
 
秋9月
 
木犀の香に今逢うてわかれたり
1月
雑詠
         
秋9月
  山の端におくれてのぼる月を待ち  
雑詠
         
夏7月
 
枯れ立ちてなほひまはりのいのちなり
2月
雑詠
         
夏7月
 
大西日吸ひこむほどに昏き山
 
雑詠
         
冬11月
 
あたらしき土の匂ふや炉を開く
3月
雑詠
         
冬11月
 
いつの間に飛石濡らし初時雨
 
雑詠
         
冬11月
 
凩や石見は瓦ばかりなり
 
若水
         
 
読経の息の白さも有難し
4月
雑詠
         
 
冬の星人に煩悩多かりし
 
雑詠
         
 
短日の一句も成さず暮れにけり
 
若水
         
 
釜の煮えはや鎮まりて日短
 
若水
         
新年
 
仄かにも雲ふちどりて初茜
5月
雑詠
         
新年
 
若水を汲みあげし時息しづか
 
雑詠
         
 
のうれんのかたき風韻京の春
6月
雑詠
         
 
春寒し回転扉まはるたび
 
雑詠
         
春3月
 
糸桜日毎の風に色つむぐ
7月
雑詠
         
 
口笛を吹くをんな来て山笑ふ
 
雑詠
         
 
春の星仰ぎいそがぬ家路かな
8月
雑詠
         
春4月
 
藤棚の香をかきわけて社まで
 
雑詠
         
春4月
 
新入生ねむたい朝のつづきをり
 
若水
         
夏5月
 
新緑や人待つことも苦にならず
9月
雑詠
         
夏5月
 
目を洗ふ新樹こころも洗ふかな
 
雑詠
         
夏5月
 
初鰹土佐のをんなの飲みつぷり
 
若水
         
 
夏木立凛と佇む永平寺
10月
雑詠
         
 
鷹ヶ峰茂りつながる鷲ヶ峰
 
雑詠
         
夏6月
 
まづ雲の力宿して代田かな
 
若水
         
夏6月
 
土の里代田表はれ水の里
 
若水
         
 
緑蔭にことば授かる時を待つ
11月
雑詠
         
夏6月
 
ハーモニカ吹く音幽か夏木立
 
雑詠
         
 
夏館山の冷気につつまれり
 
若水
         
 
一年に一度の出逢ひ夏館
 
若水
         
 
片陰を歩きつないで帰宅せり
12月
雑詠
         
 
空蝉といふかりそめも美しき
雑詠
         
 
七夕やスローガン書く父の筆
若水
         
 
かなかなに送り出される旅の宿
若水



平成14年 清交社入選句

1月
 
初釜や水屋見舞もあれこれと
     
2月
 
待ちかねし大吉報に春立ちぬ
     
   
春時雨時には日射し連れにけり
     
3月
 
ねむさうな人ばかりゐて水温む
     
4月
特選 かがり火の闇にたゆたふ花の艶
     
    花冷えのだれも来ぬ日の緋毛氈
     
5月
特選 棗もつ手ざはりもはや薄暑かな
     
    好天といへども古都の夏霞
     
    山襞の無きが如くに新樹かな
   
6月
特選 かびの香や懐かしきもの捨て難く
     
7月
  臨月の身を持て余す白日傘
     
    一滴の煎茶のやうに滴れり
     
8月
  窓開ける楽しさふえて秋涼し
     
    風の中新涼といふ余白あり



平成13年 清交社入選句

1月
 
大福茶闇にしみ入る釜の音
     
   
古き家に一人囃してなずな打ち
     
   
積む雪や閑けさといふ調べあり
     
   
雪野原うれしき一歩深すぎて
     
   
美しき口上として初音聞く
     
2月
 
春の雨苔ふくらんでをりしかな
     
   
たんぽぽのとんでゆく絮のこる絮
     
3月
 
母の忌をすぎてほどなく鳥雲に
     
   
芽柳の右に左に風の色
     
  特選
若者等春塵をける球をける
     
4月
 
入学の朝きびきびとはじまりぬ
     
5月
 
木曾信濃わけへだてなく新樹かな
     
6月
特選
あぢさゐやきのふの決意ひるがへし
     
7月
 
水打って人待つことを楽しまん
     
   
湯の中に花咲く如く鱧料理
     
8月
 
新涼のふと通り抜け京町屋
     
9月
 
なにげなく話はじめて夜長かな
     
10月
 
秋日和なにもなけれどうれしき日
     
   
やゝ寒し桶より漏るる水の音
     
11月   一茶忌や好む一句をそらんじて
     
12月  

けふ一ト日だれとも会はず暮れ早し




平成12年 清交社入選句

7月
 
それぞれに才を競うて百合の咲く
     
8月
特選
松風を聴いて秋めく庵の庭
     
   
盆の月年に一度の集ひあり
     
   
残されし父も老いたり盆の月
     
   
足どりも軽く秋めく朝の道
     
9月
 
暮れゆけば風も愁ひの花野かな
     
   
秋簾一枚のある暗さかな
     
10月
 
紅葉且散りぬるままに水の鉢
     
   
先斗町易の一字もやや寒し
     
12月
 
事始祇園賑ふ京言葉
     
   
霜柱踏むとき心少年に
     
 
特選
京の山ひといろに変へ冬霞