14 御事納め

 早くも師走となりました。人、人、人であふれかえっていた京の街も紅葉が一枚 、一枚散って土にかえっていく度に静かになりました。テロの影響もあったのでし ょうが、今秋は殊の外、京都への観光客も多かったようです。私自身も改めて京都という街の持つ魅の力を再認識したところです。

 皆様、ご存知のように京都は、寺社仏閣といった歴史的建造物、春は桜、秋は紅葉という自然環境の豊かさ、そして、人々によって守り育まれてきた文化等が、この
21世紀の現代社会の中で上手にいきつづけています。
 観光客の方々はきっと近代的なホテル、旅館に泊まり、タクシーや地下鉄といった効率的な交通手段を用い、それでいて千二百年の時の流れが生み出した産物を十分に満喫されたことでしょう。

 
伝統文化は現代ではすたれつつあるとか、保持が難しいという声の聞かれるこの頃ですが、私は京都の町に何か伝統文化が時を超えていきていけるヒントのようなものを感じるのです。
 つまり、すっかり西洋化した現代生活をかえることなく、その中で伝統文化のもつエッセンスをいかせるような生活の提案をもっとしていけたら、もっと多くの方々に受け入れて頂けるのではないか…ということなのです。

 
高い、手間がかかる、時間がかかると思われがちな伝統文化の世界ですが、実はうちでもお正月の前に、気軽に、楽しく、しかも財布もいたまない…(笑)壁飾りをつくっています。これは、特に自由花を専門とされるN先生のお教室での様子なのですが、これが仲々楽しくて、しかもその人のセンスもでて、それでいて改まった 気分になれるという優れものなのです。

どの作品も色紙よりもちょっと大きいくらいの作品で、
玄関先や応接間などの壁に気軽に楽しく飾ることができます。
N教授の生徒さんの作品です
木の額縁にオーロラシートと金・銀箔の和紙をはり、竹を縦にきったものに花をい けたもので、
お正月らしい作品3点です
ステンレスの額縁に叩いてデコボコさせた金・銀の銅板をはり、花をいけた作品です。
 
 伝統文化に携わっている人たち、そして、やってみたいと思いつつ一歩ひいてい る人たちが、互いに一歩ずつ近寄ってみる。そんな橋わたしのできる作品をどんどん発信していけたらと願います。せっかく日本に生まれて、伝統文化の『食べず嫌い』はもったいないですものネ。

  和の学校の生徒の方々(?)にもぜひ伝統文化のこういうところが知りたい、いや反対に理解できないという質問を出して頂ければと思っています。
 
 ちなみに、今日(12/8)は御事納め(おことおさめ)です。その年の農事など雑事をしまう日で、江戸時代には里芋、こんにゃく、小豆、にんじんなどを入れ た「御事汁」を食べたそうです。

 年末になってくると、正月を迎える仕度に何かと忙しくなってくるので、「御事多さん」(おことおおさん)と挨拶したと言われています。年の暮れのあわただしい心配りをねぎらう言葉らしいのですが、これって今で言うなら作る人の負担も少なく、冷蔵庫もきれいに片づいて、しかも相手に対する感謝の思いも伝わるという、とても合理的なことだとは思いませんか。
 
 伝統って面倒くさそうにみえる作法も行事も、よくみるとどれもとても合理的で、一番無理のない、人に優しいことからなりたっているのだなと実感します。

 
今年もあと僅かですが、皆様もお仕事で、ご家庭で、そして、和の学校での学びに
「御事多さん」だと思います。これから益々忙しくなる年末年始です、頑張りま しょう! 更にパワーUPして、でも無理をせず…(笑)
2001.12.7記載

由紀のひとしずく
●1ごあいさつ ●2花曇り ●3八十八夜 ●4水際 ●5川床
●6ビール ●7河童忌 ●8喜雨 ●9アイスクリーム ●10ベニス
●11台風 ●12旧七夕会 ●13新酒 ●14御事納め ●15柚湯
●16初づくし ●17風花 ●18ミネラルウォーター ●19樹氷 ●20・・・・
●21おぼろ月 ●22祝 和の学校
1st Birthday

●23・・・・
●24入道雲
●25雷雨

●26秋分

●27紅葉前線 ●28おもてなしの心 ●29年忘れ ●30初春
●31和の学校を改めて思う