![]() 5 川床 梅雨に入り、蒸し暑い日が続いています。 植物には雨も必要とわかっていながらも、気分が晴れず、また体調も崩しやすい頃ですね。 京の街では夏といえば祇園祭なのですが、それに先がけて、川床が開かれました。いつも見慣れた川ですが、床が出るようになると、いくら外が雨であっても、また夏というにはまだ早い陽気であっても"夏の到来"を実感せずにはいられません。 以前は床というと、日本食のお店が多かったのですが、このごろはカフェや洋食もあらわれてきました。和と洋をうまくMIXさせる日本人のこと、現代人のニーズに合った色んなアイディアが生まれてきているのですね。 私は川床を見る度に、そこに日本人の知恵を思います。暑いときいかに涼しさを感じさせるか、またその逆で、寒い時にいかに暖かさを思わせるか。当たり前のことですが、四季のある国で育ち、四季のもたらす微妙な異なりによって情緒を育んできた日本人ならではの素晴らしさではないでしょうか。日本の文化は相手によって、季節によって、目的によって姿を変える文化なのです。
例えば、いけばなでは、夏は口の広い水盤を用い、たっぷりと水を入れ、見せるようにします。 生花では、水際を高めにいけます。皆様、この前お話した水際、覚えてらっしゃいますでしょうか。不思議なもので、水際が高めというだけで、なぜかすっきり見えるものです。色彩的には、寒色系のものを多く用いたりもします。 形にとらわれない自由花では、ゼリー状のものを剣山かわりにして使用したり、ガラスの器にいけたり…100円ショップで買ったガラスの器にカラフルなゼリー状のものを入れ、花をいけるとそれで十分、涼しさと楽しさが表現できますよ。 お花をよくご存じでない方は、いつも型にあてはめていけているのでは、と思われがちですが、そうではなく、植物によって季節によって細やかな心配りをしていけているのです。 現代の日本はスイッチ一つで暖かくも涼しくもなるよう便利になりました。私たちはいつも同じ温度(=適温というのでしょうか)の中で暮らしています。確かに便利で楽なのですが、その一方、先人たちが守ってきた心の細やかさ、季節に対する思いや工夫がどんどん失われてきているようです。 季節、季節のものを大事にするということは面倒に思われるかもしれません。でもほんのひと工夫で、生活が潤い、心にホッと憩いが訪れるはずです。 ガラスの器に身近な観葉植物をあわせてみたり…それも日本の美と心に触れていることだと思います。
上記写真「千住博・池坊由紀・近藤弘 展 」より 編集・発行 株式会社イムラアートギャラリー企画室 花 池坊由紀 花器 近藤弘 次回開催 平成13年9月5日〜9月19日 福岡三越にて開催 |
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2001.6.21記載
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