3 細渦(開板 江戸後期、茶方好み)

細渦は水紋の描写である。
文様としては同心円の大小の集まりであるが、手描きの彫りムラがあって、それがかえって身近な心なごませる図柄になっている。
和紙の狐色は黄味がかった茶色である。
もちろん狐の毛皮の色と似ているので、この名がついたのであるが、唐紙に使う色としては茶色系が最も多い。
その理由として美しい色とはいえないが、味わい深い色なので、襖に使った場合でも、部屋全体が落ち着いた雰囲気になる。
この狐色もそうであり、唐紙に必要な要素であるなごみを与えてくれる。

(京都新聞夕刊に平成11年10月〜平成12年3月に連載 したものの転載)



 

1梅桜散らし 2光琳枝梅 3細渦 4唐松 5朽木雲 6丸梅 7波に鱗鶴
8細露芝 9氷梅 10楓 11瓢箪唐草 12信夫(小) 13荒磯 14青海波
15氷割れ 16紅葉 17若笹 18細竹 19小松葉 20霞雲 21双葉葵