5 朽木雲(開板 江戸後期、町家好み)朽ちた木目を文様化したものを朽木型という。 もともと、縦型のものであるのに、横にして雲紋に見たてたのは一種の擬態紋である。 このように一定の形を持たない雲は実に悠揚とした春の雲を思わせる。 和紙の退紅(あらぞめ)は淡い紅花染めのことである。 紅花自体が昔かから高価な染料であり、さっと染めた色をつくって節約したようである。 当時はもっぱら身分の低い人の衣服に使われたのもやむを得ない。 しかし、愛らしい桜色より、やや赤味のピンクは春を愛でる色として唐紙文様の桜花の柄をつけるとよく似合う。 (京都新聞夕刊に平成11年10月〜平成12年3月に連載 したものの転載) |
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