8 細露芝(開板 大正時代、町家好み)

桃山期に流行した文様であり、ゆるやかな曲線は広い秋野を表現している。ところどころの露は初秋の涼気を感じさせる。和紙の藤色は別名「若紫」ともいう。藍と紅花を用いて、この色が染まる。平安時代では藤色は「枕草子」「古今集」など文学的表現に気品ある言葉として愛用された。
一方、唐紙の世界では、上品に仕上がるので、和紙便箋など小物によく使っているが、襖のように大きい面には少々寂しさが漂って、寺社など特殊な部屋は別として,一般的には不向きなように思える。

(京都新聞夕刊に平成11年10月〜平成12年3月に連載 したものの転載)



1梅桜散らし 2光琳枝梅 3細渦 4唐松 5朽木雲 6丸梅 7波に鱗鶴
8細露芝 9氷梅 10楓 11瓢箪唐草 12信夫(小) 13荒磯 14青海波
15氷割れ 16紅葉 17若笹 18細竹 19小松葉 20霞雲 21双葉葵