10 楓 (開板・明治時代、町家好み)


楓はやや写実的な文様であり、空いっぱいに楓が埋まる様子は晩秋の風情がある。ただ、一枚一枚の葉が簡略化されていて、全体的には簡素な美しさが感じられる。
和紙の色の茜は元来、インドが原産であり、中国を経由して日本に来たようである。茜は多年生の蔓草であり、その赤い根を使って染める。
この華やかな色は太陽の色であり、万葉集にある「あかねさす」ということばのは日が照るさまを表し、枕詞として用いられた。
媒染剤によってはいろいろな色調の赤に染まる。

(京都新聞夕刊に平成11年10月〜平成12年3月に連載 したものの転載)



1梅桜散らし 2光琳枝梅 3細渦 4唐松 5朽木雲 6丸梅 7波に鱗鶴
8細露芝 9氷梅 10楓 11瓢箪唐草 12信夫(小) 13荒磯 14青海波
15氷割れ 16紅葉 17若笹 18細竹 19小松葉 20霞雲 21双葉葵