熊倉功夫著作物

■昔の茶の湯 今の茶の湯
  (淡交社)

昭和55年の夏から連続で行われた熊倉氏の講演の内容を まとめた、読みやすい茶の湯論。千利休の一生から、「わび」の本意や「きれいさび」の美意識、家元制度と日本文化まで、茶の湯の歴史をひもときながら、これからの茶の湯を問いかける。

本文からの抜粋

・・・・・材料をじょじょに日常のありふれたものにすると同時に、それは材料そのものの美しさ、生地に対する注目となる。これがわび茶のあたらしい美の発見でした。これは、日本人にしかわからない美意識です。

・・・・・・なぜ、ある世界にだけ家元というものが残り、ある世界では家元というものができないのかということを考えてみますと、家元ができあがってくる世界にはいくつかの条件があるということに気がつきます。

・・・・・・われわれは茶碗をみるとき、その茶碗が美しいかどうかを純粋に見ているのではないのですね。その茶碗がどういう伝来をしているか、どういう由来をもっているか、どういう人の手をわたっているか、よってその銘がつけられているか、その銘にはどんなエピソードがあるかということを総合して鑑賞しているわけです。

・・・・・・しかし、利休の死は、茶道史のほうから考えますと、非常に注目すべき歴史の節目になったのです。利休はその死によって、わび茶を、永遠なる伝統に昇華させたのではないかと感じます。

昭和60年刊(淡交社、定価1300円・税抜き)



■日本文化のゆくえ 茶の湯から 聞き手ー熊倉功夫 (淡交社)

道―林屋辰三郎
芸―渡辺保
座―鈴木健一
仕種―山崎博紹
畳―鈴木博之
見立て―田中優子
美―河野元昭
型―中村宗哲
数寄―近藤道生
趣味―梅棹忠夫
禅―古野紹欽
未来―伊東順ニ

カバー紹介文から

茶の湯をはじめとする日本の伝統文化が大きく変貌しつつある現在、我々の文化はこれからどこへゆこうとしているのだろうか?本書は、棋界の権威と気鋭の論客を迎え、その疑問符をコンセプトに、茶の湯を中心に据えながら、日本文化を形づくってきた様々な要素をキーワードに、時にその源流にさかのぼり、また「近代の視線」で今にいたる流れを検証し、未来への展望を縦横に論ずる対論。

平成10年刊 (淡交社、定価1800円・税抜き)


■文化としてのマナー (岩波書店)

餅の食べ方から、新婚旅行の会話まで
行事や食事作法などのマナーは、近代化の中でどのように変化してきたのか。日本の文化と風俗の現在を問う。

―目次から
1 マナーを風俗文化としてみる
2 食事作法とはなにか・・・食事作法の起源/美・醜・浄・不浄/触覚と音
3 食事作法の変化・・・前近代の作法/近代・庶民の作法/良そう・盛る/食べはじめる/食べ方と箸づかい/会話と団らん
4 のむ作法・・・酔っぱらう方法/式三献と三三九度/中庸の酒 
5 間の礼法・・・他者の視線/『女重宝記』・『男重宝記』/関係のデザイン 
6 茶道と近代の女性礼法・・・茶道の再発見/すわる/あるく 
7 近代作法書を読む・・・マナーの衝突/ふるまいと言葉の鋳型 
8 「国民礼法」の成立・・・国家が定めるマナー/「礼法要項」制定/『日常礼法の心得』 
9 マナーの行方・・・結婚を巡るマナー/マナーは自分で選ぶ

平成11年刊(岩波書店 定価2300円・税抜き)