〜ネイルサロン〜

暖かい季節になると、ますますおしゃれをしたい気分になる。
ここ数年、ネイルに関する興味は高まるばかりで、雑誌には特集が組まれ、ネイルサロンに通う人も少なくない。 私の友人の多くは、子育てに奮闘する中でのつかの間のこころの安らぎ、または日ごろのストレスの解消と称して、春らしいピンクのマニキュアや鮮やかなアートなどで指先を飾っている。
確かに気分の変化にはとてもよい手段であると思う。私自身もネイルアートに興味があり、また長くて美しい爪に憧れ、友人には短時間ではあるが王女様の気分になる、という素敵なサロンを教えてもらったことは数限りない。そのような中でたった一度だけサロンに行ったことがある。仕上げや持ち、雰囲気など、どれをとってもあらゆる点でサロンの方が勝るのはいうまでもないが、なかなか足を運ぶ時間がなく、家で自己流にお手入れをして楽しんでいる。
こうした指先のおしゃれには多くの人の関心が寄せられているにもかかわらず、なぜ指先の動き、つまり手の動きには注意を払わないのであろう、というのが以前から持ちつづけている私の疑問である。 例えば、お辞儀をするときの手のつくりかたがある。指先がばらばらになっているのに、そのままの状態でお辞儀をなさっているのはなぜなのだろう。それは意識がないから…と答えは明らかである。指先の動作のみならず意識をすることはあらゆることに大切であるのだが、「指先を揃え、少し丸みをもたせるようにして手のかたちをつくりましょう」というアドバイスを差し上げると、少々抵抗もあるようで恥ずかしそうな表情をする方もいらっしゃる。
しかしながら、せっかくきれいな指先をしているのにそれを活かさないのは大変もったいないように感じる。その他にも物の受け渡しの際などは、自分が思っている以上に相手に与える印象の中には手の動きがある。相手に物を渡す時、あるいは何かを頂戴する時に指が揃っていた方が、揃っていない方と比べてはるかに好印象であろう。
また、爪のおしゃれにもTPOがあることは忘れてはいけない。仕事で繊細な商品を扱う人は、長い爪を保つことは難しいであろうし、食品や医療に携わる人は一段と清潔感を求められるであろう。 学生時代に、少しでも爪が伸びていると先生からのお叱りがあった。その時は、少しくらい爪が伸びていてもいいではないか、と思ったものである。その後、ずいぶんたってから学生には学生にふさわしい身だしなみが大切であったのだと痛感したものである。
さて先日、病院に行った時のことである。薬を受け取る瞬間、対応してくださった受け付けの方の指先に思わず視線が止まった。長い爪にきらきら光る、美しいアートが施されていたのである。長い爪を持つことがいけないことではない。ネイルアートがいけないわけでもない……。 手の表情を左右するのは、ネイルサロンに行く前のこころがまえから始まっているのかもしれない。


2001.5.5記載

stylish礼法
1 ブーツ 2 ネイルサロン 3 膝元 4 女性らしさ 5 贈答
6 素足 7 言葉遣い 8 煙草 9 Eメール 10 コート

11 言葉遣い(2)

12 携帯電話 13 入学式 14 感謝のことば 15 もてなし
16 謝罪のことば 17 化粧室  18 パンのいただき方 19 箸遣い 20 お正月を迎えて