これは都会のみの現象なのだと思うのだが、元日、家の外に出てみて驚いたことがある。自宅周辺のほとんどのお宅は、普段とまったくかわっていない光景だった。つまり、門松をはじめとしたお正月の飾りを見ることができなかったのである。クリスマスのシーズンには、リースを掛けている玄関が何軒もあったのにもかかわらず……。
門松も、鏡餅も、歳神様がおりていらっしゃる依代である。その一年を無事に、幸せに過ごす事ができますように、という祈りが飾りの一つ一つに込められているのだ。
家に遊びにいらした方々が、床飾りをご覧になるたびに「やはり日本の文化はいいわね」とおっしゃる。またこうしたものこそ、子供たちに伝えていきたいものだというご意見も多く頂戴する。
何も特別なことをしているわけではない。伝えられてきた日本のこころをかたちに表しているだけである。伝えられてきたものだからこそ大切にしていきたい、と改めて考えさえられるお正月であった。
※「お年玉包」「お箸置き」の折り方は、「室礼でおもてなし」からご覧下さい。
2003.1.7掲載