〜お正月を迎えて〜

 年の暮れ、特に昨年は慌ただしい日々を過ごしていたが、そのような中でお正月の準備をするあいだはほっとできるように思えた。お屠蘇の調合や飾り、床飾り、お箸包みにお年玉包みなどなど……。市販の飾りや包みは、出来上がりもきれいであり、忙しい方にはとても便利なものだと思う。しかし私にとっては折形をつくったり、水引をかけている一時は日常を忘れることのできる大切な空間であり、また自然な雰囲気の中で子供に季節の行事を伝えていく良い機会なのだ。


お年玉包
お箸置き


 これは都会のみの現象なのだと思うのだが、元日、家の外に出てみて驚いたことがある。自宅周辺のほとんどのお宅は、普段とまったくかわっていない光景だった。つまり、門松をはじめとしたお正月の飾りを見ることができなかったのである。クリスマスのシーズンには、リースを掛けている玄関が何軒もあったのにもかかわらず……。

 門松も、鏡餅も、歳神様がおりていらっしゃる依代である。その一年を無事に、幸せに過ごす事ができますように、という祈りが飾りの一つ一つに込められているのだ。

 家に遊びにいらした方々が、床飾りをご覧になるたびに「やはり日本の文化はいいわね」とおっしゃる。またこうしたものこそ、子供たちに伝えていきたいものだというご意見も多く頂戴する。

 何も特別なことをしているわけではない。伝えられてきた日本のこころをかたちに表しているだけである。伝えられてきたものだからこそ大切にしていきたい、と改めて考えさえられるお正月であった

 ※「お年玉包」「お箸置き」の折り方は、「室礼でおもてなし」からご覧下さい。

2003.1.7掲載


stylish礼法
1 ブーツ 2 ネイルサロン 3 膝元 4 女性らしさ 5 贈答
6 素足 7 言葉遣い 8 煙草 9 Eメール 10 コート

11 言葉遣い(2)

12 携帯電話 13 入学式 14 感謝のことば 15 もてなし
16 謝罪のことば 17 化粧室  18 パンのいただき方 19 箸遣い 20 お正月を迎えて