田原和尚の部屋

大本山天龍寺庫裡のだるま

 

  「一日一止(いちにちいっし)」とは  

禅語の中に『七走一坐』という句がある。
この意は「七回グランドを廻ったら一旦止まりなさい、
そうして走った後を見直し、
この走り方で良いのか、
力配分はこれで良いのかなど、
一旦停止してじっくりと見直しなさい、
その上で確立したならば、
今度は考えることなく走ることに集中しなさい」ということだが、
本当の意は人生を七走にたとえているのである。

何も目的、目標を持たずに人生を送っている人はいない。
その目的、目標に向かって誰しも日夜努力をしているわけだが、
動きづめだと、だんだん意識がぼやけてきたり、
疑問が出たり、周りが見えなくなってくるため、
人間関係を悪くしていても気づかなくなってくる。
最後は自分自身すら見失ってしまう結果になる。

今、世界の動きは大変速い。
その速さに乗り遅れないため必死になってついて行っているわけだが、
世の中の動きが速ければ速いほど「一坐」「一止」が必要なのである。
世の中の動きに振り回されないため、
自分自身を見失わないため、
一日五分でも十分でも良いから、
その日一日の自分を見直す時間をとる。

また、今活躍している世界とまったく違う時間を覗いてみることも「一止」になる。

 

「一日一止」