生まれて初めて、茶室の萱葺の葺替を見、指揮をしたのは昭和四十八年、二十六才の時でした。 見ること、聞くことが嬉しくて、今、その時のノートを開けてみると、非常に興奮していたのか、 下手な字が、なおさら下手になっていて、よく読めない。 せっかくの記録が、残念ながら意味不明なところが多い。 この萱葺の仕事の中で、感動したことは山ほどあるが、 なかでもとりわけ感じたのは、萱葺の下を四分ほど残して葺替たことです。 なーんだ日本の建築というのは、人間と同じように新陳代謝をしているんだ。
6 萱を葺く前に軒付(のきづけ)を施す。中央に並んで見えるのが軒付。 軒先に葭を短く切り、並べてつなげていく。
9 形を整えながら縫竹(ぬいだけ)で押さえていく。