|
|
|
|
|
|
|
後ろが「襲(かさね)の色目」の秋の色です。十二単(じゅうにひとえ)の袖を模したもの。左から「紅葉」「黄菊」「黄朽葉」。
前が染めの材料。秋の色に染まるもの。
柘榴(ざくろ)、黄蘗(きはだ)、矢車(やしゃ)、栗(くり)、蘇芳(すおう)、橡(つるばみ=どんぐりの古名)、櫨(はぜ)、茜(あかね)、刈安(かりやす)、紅花(べにばな)。
|
「化学的なものを一切使わない、江戸時代以前の技法、できるだけ古い時代にそった技法で、伝統的な色を今日にあらわしたい」
吉岡先生のこんな力強い言葉で、講座は始まりました。
本格的な京都の紅葉シーズンを前に、
「紅葉〜秋を染める〜」を目の前で実践いただきながら、
「日本人がどう秋を楽しんできたか?」というお話から、
「美しいものとは、どういうものなのか?」
「季節感を感じ、あらわすことの意味」
「季節感と色の密接な関わり」
「教養とはどういうことなのか?」といった、
文学にも造詣の深い吉岡先生ならではの、
染色を通した日本人の根幹に迫るテーマまで、
笑いを交えながら、非常にわかりやすくお話いただきました。
印象に残ったのは、“京都”というキーワードです。
染色自体は、古来から全世界でおこなわれてきたこと。
例えば、イギリスでは苔で染めていたというし、インドやペルーでは虫で染めることもあったらしい(赤色になるそうです)。
一番きれいに染まる『絹』。
『絹の道』と呼ばれるシルクロードで、染めの技術も伝承されていったこと。
非常にダイナミックな話に、世界地図を頭の中に浮かべながら、ちょっとワクワク。
その中で「日本の色って何だ?どこから始まったんだ?」というお話になりました。
飛鳥時代の前までは
唐のまねをしていた日本が、
900〜1000年前、菅原道真が
遣唐使を廃止したのをきっかけに、
京都の地で「日本的なもの」が芽生え始めたということでした。
そしてこれには、“京都の美しい自然”が大きく起因しているということでした。
古今集以来、歌を詠むときには「季語」が必要です。
四季の移ろいを愛で、あわせて心境を詠む。
着物も季節にあった色を選ぶ。
歌や身なりの中で「季節感」を出せることが、日本では教養とされてきたこと。
源氏物語等を引用されながら、色の持つ奥深さを考えさせられました。
一つ一つの植物や色に対しての詳しい解説もいただきました。
染屋は、この時期になると収穫が気になるとおっしゃってましたが、
今の日本では珍しくなっている様々な植物を常時100種類ご用意されているとのこと。
この収集だけでも、たいへんなご苦労ですね。
|