2004年11月にラーンネットグローバルスクールで行った
講師派遣事業の活動報告です。

神戸の六甲山にある、ラーンネット・グローバルスクールは、独自のカリキュラムで教育をするフリースクールです。

ラーンネット・グローバルスクール(以下ラーンネット)には3つのスクールがあります。

フルスクール
小学生、中学生を対象とし、少人数クラスや独自カリキュラムなど、既存の小中学校とは異なる新たな仕組を取り入れたスクールです。神戸・六甲山の豊かな自然環境の中で学びます。
バンビーナ
世界各国で一世紀の長きにわたって普及し、その効果が実証されているモンテッソーリ教育を実践する幼稚園です。子どもの集中力や手先の器用さを高め、「自ら学ぶ力」を身につけます。
アフタースクール
週1日から、放課後の時間(50分間)を使って学ぶスクールです。レゴやパソコンを使ったクラス、らくだ教材(計算)を使ったクラスなど、4つのクラスを設けています。


今回、講師派遣として依頼があったのは「フルスクール」での授業。
ラーンネットで大切にしていることのひとつに「本物に出会う」ということがあり、ナビゲーターの方から和の学校に相談がありました。

ナビゲーターの中野さんとやりとりをして「ふろしき」を子ども達に体験してもらおう、ということになました。



【講演内容】
畳の部屋に、みんなで輪になって座りました。

森田先生の後ろに座っている着物姿の女性は、大阪国際大学の高橋尚美先生です。高橋先生も「ふろしき研究会」の会員なので、お手伝いに来てくださいました。

平成16年(2004年)11月16日、神戸市にある六甲山の上にあるラーンネットで第二回目の和の学校講師派遣事業が開催されました。

講師は、「
ふろしき研究会」の森田知都子さんです。

 「ふろしき研究会」とは、ふろしきが忘れ去られようとしている今、現代の生活の中でふろしきを活かすことを研究テーマに活動を続けている非営利の市民団体です。
現在、380名ほどの会員の方々が各地で活動しています。


全校生徒15名(小学校1年生から中学校2年生まで)、ナビゲーター(ここでは先生のことをそう呼びます)6名、というあたたかい雰囲気の中、ふろしきのお話と実技が始まりました。





◆ ふろしきとは? ◆

みんな、ふろしきって使ったことある?
どんなときに使うかな?

 「どろぼう!」

そうそう。どろぼうさんもふろしきを使ってるよね。
ふろしきはどんなものでも包めるんですよ。

 「じゃあ、人間も包める?」

包めるよ。 じゃあ包んでみようか。

 Yくんが大きなふろしきに包まれてしまいました。これにはみんなびっくり!

こんな風に、ふろしきは何でも包めるんです。
どんな形のものでも、中のものをかくして包めます。
そして、何も包まない時には、たたんだら元の形に戻ります。とっても便利でしょう?

包むだけではなく、帽子も作れるんですよ。
少し小さなふろしきでみんなで作ってみよう。



みんなワイワイと教えて貰いながら、教え合いながら作り始めます。

包むことよりも、まず、きちんと「結ぶ」ことが最初は難しい。


どうしても「縦結(たてむす)び」になってしまう子も多く、森田先生はあちこちで「真結(まむす)び」を教えていました。

なぜ真結びでないといけないのでしょうか?

縦結びだと、ほどけやすいのだそうです。


昔はいろんな大きなふろしきを、かばんの代わりに使ってきたの。


これは明治時代の大きなふろしきです。

何を包もうかな・・・これでいいね。(おもちゃが入っていた大きなボックスを包みました)

江戸時代の人はこんな風に肩にかついで歩いていました。
かばんがなかったからね。


はい、かついで歩いてみてくださいね。うんうん。なかなかさまになってますね。

(まわりから「似合うぞ〜!」などと声がかかります)



外国では、今でも荷物を包んで頭の上に乗せて歩いているところがあるんですよ。

はい、やってみましょう。
(ふろしきの中に座布団を入れて包みました)

日本ではふろしきは、あまり見られなくなっているけど、東南アジアや中南米に行ったら、こんなふうに、女の人や子ども達も使って、荷物を運んでいます。


えーっと、バスケットボールとか、そんな丸いものはありますか?
今度はこれを包んでみましょう。

ほら。こんなに丸いものも包めてしまいます。
(「お〜 !」と歓声があがる。)

これを「スイカ包み」と言います。
簡単でしょう?


こんなふうに、ふろしきというのは、四角いものも、丸いものも何でも包めてしまうんですよ。


 
◆ ふろしきを使って欲しい ◆
私達は日本に生まれ育ったのに、日本のことをあんまり知らないでしょう?

だから私は、みんなに日本のことを、もう一度見直してほしいなと思っています。

この「ふろしき」も今まで私達の暮らしを支えてくれたものなのです。忘れられるのは惜しい。

手を使って、指先を使って、頭を使って、いろいろな使い方が出来るのに・・・だからみんなにもっと思い出して欲しい。
みんなの時代にも、ふろしきを使って欲しいと思います。

お買い物をしたら、今はレジの袋に入れてもらうでしょう?
でも、ふろしきなら小さくたたんで持っていけるし、持っていったら、どんな形のものも入れられるし、使い終わったら元に戻ります。
こんな便利なものはないんですよ。

じゃあ、次にびんを包んでみましょう。
◆ びんを二本包んでみよう ◆

ふろしきの真ん中に、びんのお尻同士を合わせて置きます。そのときびんとびんの間は、握りこぶし一個分あけておきます。 手前からふろしきを、そのびんにかけ、くるくるっとびんを転がしながら、巻いていきます。
両端を持ち上げてきて・・・
上で真結びします。
はい。出来上がり!ワインやお酒などのプレゼントにも喜ばれますよ。



最後に、みんなが持ってきたふろしきを上の同じところで結んでください。
ほーら、大きなふろしきの輪が出来ました。
みんな、ぐるぐるまわってみよう。

結んで開いて・・・・



時間が来て、解散した後も「もっと教えてください」と何人かが集まってきました。「では、リュックサックを作ってみましょう。」
二枚のふろしきを使って、リュックサックまで出来てしまいました。

このあと、子ども達と送迎のバスに乗って、六甲山を降りました。






◆ お礼の色紙 ◆


後日、学校から色紙が届きました。

和の学校・ふろしき研究会の皆様へ

この前は、ふろしきの事をおしえていただいて、ありがとうございました。ぜひ、ふろしきを使うきかいがあったら、みんな使いたいと思ってます!発表会でふろしきの事を発表した子も、いっぱいいました!!みんなふろしきの事を好きになったようです。みんなに感想を聞いたところ、「楽しかった」がおおかったです。「またふろしきをやりたい」と言っていた人もいました。ではまた会うきかいまで!

ラーンネット・グローバルスクールより


発表会では、特に低学年の子どもたちが、積極的にふろしきを使った発表をしました。
1年生の男の子は帽子を、2年生の男の子はビン包みを、3年生と1年生の女の子は森田先生の本より気に入ったポインセチアを作ってくれました。
一枚の布が変化する楽しさを知ったようです。



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