青

生葉染め
動画
藍(あい)といえば藍甕(あいがめ)で発酵(はっこう)させた濃い色の藍染めを思い浮かべますが
今回は、真夏の暑い時期にしか染めることのできない蓼藍(たであい)の生葉染(なまばぞめ)をご紹介いたします。
青ものがたり
夏の暑い盛りの頃。
広がる蓼藍(たであい)の畑です。
4月のはじめに種をまいて
育てた蓼藍の葉が
つやつやと育ちました。

蓼藍:タデ科の草本
学名 Polygonum tinctorium LOUR
日本、中国北部などの高温多湿で肥沃な地域に生育する。
インドシナ半島の原産。
真夏の時期にだけ染めることのできる
生葉染めのために
蓼藍を刈り取ります。
茎から葉のみを取ります。
取り除いた葉を
小さく刻んでいきます。
細かく刻んだ葉を水に放ちます。
 
細かく刻んだ葉を水に放ち、約30分ほどよく揉みこみ、藍の色素が出るのを待ちます。このとき、濁った色が出ないようにするため、少しだけ米酢を入れます。
水を含んだ葉を、麻布をひいた籠にあけて、
 
青汁を漉(こ)します。
 
かごの底から
うす青く美しい液が落ちていきます。
 
しぼり取った液に絹糸を浸(ひた)します。
藍甕(あいがめ)で発酵させた藍は
木綿にもよく染まりますが
生葉染めは絹にしか染まりません。
最初はまだ葉緑素が残っているため糸は緑色です。
約30分ほどゆっくりと動かし続けます。
 
時間と共に葉緑素が流れ、藍の成分だけが糸に浸透して、やがて美しい青に変わっていきます。
不思議と何度染めても
この方法では
あまり濃い色には染まりません。
最後に水で洗います。

これで鮮やかな澄んだ色になります。
今度は 
絹で織った「水衣(みずごろも)」という
ショールを染めます。
 
縦糸が水の流れのように動いている
美しいショールです。
染めの完成です。

長い時間湿らせておくと
色が悪くなってしまいますので
短時間で乾燥させて
美しい青を残します。
パソコンの環境によっても違いますので表示している色は近似色です。
正確な色ではありませんので御注意下さい。
「浅葱」の文字を考えると葱の嫩葉(わかば)の色になり、緑味をおびた色のようであるが、実際には「水色」よりやや濃い色、蓼藍で染めた薄い藍色をいう。色見本は蓼藍の生葉染。
六位の袍(ほう)の色で、『源氏物語』「少女(おとめ)の巻には、元服した夕霧が「浅葱にて殿上にかへりたまふ」のを不満いっぱいに見送る祖父母大宮が描かれている。また『枕草子』には六月の法華八講に参列する公卿たちが「浅浅葱の帷子」などを透き通るように着ているさまが記されている。
田舎出の侍が羽裏に浅葱色の木綿を用いていたので無粋な人、野暮な人を当時「浅葱裏」と呼んで揶揄した
「浅葱色」より薄く、「水色」よりさらに淡い藍色。「甕覗(かめのぞき)」よりわずかに薄い。
水浅葱の「水」は、ここでは水のような色というより、染料に水を加えて薄めるという用法があるように、薄さを意味するようだ。
薄い色ということで手間がかからない安価な色という発想か、江戸時代には囚人服の色とされ「おやぶんは水浅葱まで着た男」という川柳も詠まれている。
『守貞謾稿(もりさだまんこう)』の浅葱色の項には「特に淡きを水浅葱と云ひ、中略して水色とも云ふ。藍染の極淡なり。」
淡い藍色だが「甕覗(かめのぞき)」より濃い。たとえば岐阜県郡上八幡の吉田川や板取川の上流の、透き通るような水の色をあらわす。平安時代から用いられた色名で『夜の寝覚』には「桜襲を、例のさまのおなじ色にはあらで、樺桜の、裏ひとへいと濃きよろしき、いと薄き青きが、又こくうすく水色なるを下にかさねて」、また『栄花物語』には、「色聴されねは、無文、平絹などさまざまなり。・・・・海の摺裳、水の色あざやかになどして」などと見える。桃山時代に編まれた、『日葡(にっぽ)辞書』にも「一種の明るい青色」とある。
古来、「浅葱」などとともに夏の衣装に欠かせない色。
きわめて淡い藍色、もっとも薄い藍染といえるだろう。この色名のいわれには二説ある。一つは、藍甕(あいがめ)に布をほんのわずかの時間浸けて引き上げた、すなわち、布は藍甕のなかをちょっと覗いただけで出てきてしまったから染まり方も薄い、というもの。もう一つは、甕に張られた水に空の色が映ったような淡い色合だから。こちらは空を写す甕を人が覗き見たもの。どちらにしても、遊び心いっぱいの色名である。「覗き色」ともいわれ、ほんの少し染まって白い布が白でなくなるためか、「白殺し」ともいわれたという。
日本の色辞典 紫紅社