青

青花
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水にであうとすぐに溶けて流れてしまうその特質を生かして 、昔から京友禅や加賀友禅、絞りなどの下絵に使われてきた「青花」。
日本の染織文化を陰で支えてきた美しい「青花」をご紹介いたします。
紫ものがたり 青花: ツユクサの栽培変種、
    オオボウシバナ
学名 Coommelina communis L.var.hortensis Makino
近江国山田郷、草津辺で栽培

滋賀県 草津市。中川正雄さんが栽培する早朝の青花(あおばな)の畑です。
朝日が昇り始めるとともに、可憐な青い花がいっせいに咲き始めます。
7月の中ごろから8月中ごろまでの一番暑さの厳しい時期にこの花を摘むので、別名「地獄花(じごくばな)」とも呼ばれています。
今では4軒が栽培するだけになりました。ツユクサの品種のなので午前中で花はしおれてしまいます。家族総出で花を摘みます。
限られた時間内に、その日咲いた花をすべて手で収穫しなければなりません。
「サギ」と呼ばれるガクやオシベ、メシベの黄色い部分は摘まないように残しながら、ひとつひとつ手で摘んでいきます。
「ハナツミカゴ」とよばれる竹製の籠いっぱいに摘んでいきます。
摘まれた花は大きな「メカゴ」に集められます。
花はそのまま家に持ち帰り、その日のうちに青花紙(あおばながみ)を作る作業にはいります。

まず、摘んできた花を5ミリほどの目の「ふるい」にかけます。
こうすると花びらだけが残り、黄色いサギなどが下に落ちます。

サギが残っていると出来上がった青花紙の品質が悪くなるのです。

丁寧に何回もふるいにかけます。この作業を「とおす」といいます。
次に花びらを直接手で揉みます。

揉んでいるうちに花びらからは青い色の液が大量ににじみ出てきます。

これを「アラシボリ」と呼びます。
液がでてくると、花びらのかさがどんどん小さくなっていきます。
アラシボリが終わると別の容器の上に木綿の布を広げ、ここに花びらと液をあけて、漉します。
さらに残った花びらを布でくるみ・・・
絞ります。
残った花びらは、まだかなりの色素を含んでいるため、また揉んでから絞ります。
その液をさらに細かい目の布で漉します。
この液をそのまま使うと、液の中にまだ混じっている花粉が青花紙の品質を落とすため、取り除くのです。
これで青花の「シル」が完成しました。
このシルを薄い和紙に塗ります。

100枚のうち96枚を使い、4枚は予備として扱われます
この100枚にマッチ棒で印をして、4枚24組に分けます。

ここからは、作業がしやすいこと、また場所を取らないことから4枚一組で作業が続けられます。
その上に捨てる紙を一枚置き、上からシルをかけていきます。

この紙はシルに残った花粉を漉すフィルターの役目をしています。
その上から、たっぷりと刷毛にシルを染み込ませて、同時に流していきます。

一番下の和紙までシルを染み込ませます。
シルを染み込ませたら、和紙を4枚ずつはがし、庭に広げたゴザの上に並べ、日光に当てて乾燥させます。
乾いたら、またシルを染み込ませて、また乾かします。
この作業を3,4回繰り返すと4枚1組の和紙がまるで1枚の紙のように貼りあわされます。
次に刷毛でシルを塗る作業に移ります。
刷毛に力を入れすぎず、あまりシルをたくさんつけず、塗りムラをつくらず・・・

熟練を要するこの作業は、力の加減や和紙との相性から、主(おも)に女性の仕事となっています。

また、暑い盛りの時ですが、汗を一滴落としただけでもその部分の色素が白くなってしまうため細心の注意が必要です。
シルを塗ったあとは、また庭のゴザの上に1組ずつ広げて乾燥させます。

干し場の周りは風よけのためにムシロなどで囲われていますが、さらに飛ばされないように竹ざおをのせて置きます。
このようにして塗る、乾かす作業を毎日繰り返し、真っ白だった和紙が黒に近い濃紺になり、最初100枚で100gだった和紙が、400gの重さになるまで作業は続けられます。
塗る回数ではなく、色の濃さと重さで完成がわかるのです。
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