|
人間が太陽の光りの恵みを受けて、「赤」の色について、まず関心を持ちました。そして、次に、暗闇の中で、「火」を発見することが、次の「赤」との出会いでした。火は、暗闇から人間を守り、寒さから暖をとってしのいでくれました。したがって、火は太陽とともに、人間にとっては神であり、清浄なものとして崇められたのです。さらには、人間の体の中を流れる生命の源である「血」にも「赤」を発見したのでしょう。このように「陽、火、血」という赤色のものは、生きていく根源をなすものであり、人々は生活の中にも、赤を取り入れ、あらわしたいと強く感じ、赤によって人々の眼を引きつけようと考えたのです。土の中から、朱、弁柄などの金属化合物の赤を発見し、茜の根、紅花の花びら、蘇芳(すおう)の木の芯材、そして虫からも赤色を取り出そうとしたのは、まさに、「陽、火、血」という赤色が人間にとっての神聖な色であったからにほかなりません。
|