紫
   

 
紫根染め
中国、日本など東洋の国々では、紫を染めるために古くから紫草の根を染料として用いてきました。今回はその伝統的な方法で染められる「紫根染め」をご紹介いたします。
紫ものがたり 紫草:むらさき科 ムラサキ属
学名:Lithospermum officinale
日本全土、朝鮮、中国、アムールに広く分布する多年草。根に数種類のシニコンを含む。
 

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京都 福知山にある初夏の紫草の畑です
白く可憐な紫草の花。
その下には豊かな紫の色素をもった根があります。
土を深く掘り、その根を取り出します。
紫根です。根の外皮に紫の色素が含まれていて、土の中から掘り出したものは深く濃い紫色をしています。
その日、染める分だけの紫根を、熱湯につけて約30分おきます。
石臼でついて砕いていきます。
これを麻の袋に入れ、湯をかけます。

洗濯板のような凹凸のあるものの上で、湯につけながら擦りつけるように、何度も揉み出します。 やがて、根からは、赤味の紫の液が滴り落ちていきます。

 
その液をたっぷりとした湯の中に入れます。
 
その中で布を手で繰(く)りながら染めていきます。  
 
約30分ほどそれを繰り返したあと今度は水のなかで余分な色素を洗い流します。
しかし、紫はこれだけでは染まりません。美しく定着させるために仲介役(ちゅうかいやく)が必要です。いわゆる「媒染(ばいせん)」というもので、椿の木の灰を用います。
木や藁の灰を熱湯につけたアルカリ性の液を灰汁(あく)と言い、特に椿の灰は、いにしえから紫根やそのほかの植物染(しょくぶつぞめ)の発色剤(はっしょくざい)として美しい色をかもしだしてくれました。この紫の液の中で繰る作業と、媒染剤の灰汁(あく)のなかで繰る作業を30分ずつ交互に繰り返してします。
翌日も、新たな紫根をその日染める分だけ石臼で砕き、今までの工程を繰り返します。
そうして4日から5日間染め続けると、やがて美しい濃い紫になります。
美しい紫が染め上がりました。