紫
   

 
二藍染め
平安朝の人々は紫草で染めた紫以外に、もうひとつの紫色を好みました。藍の青と紅花の赤をかけ合わせて作られる二藍とよばれる紫色です。
紫ものがたり  
 

動画

 

蓼藍の葉からは、鮮やかな青色が生まれます。
紅花の花びらは上に黄色、下に赤の鮮やかな色素を含んでいます。
なぜこの色が二藍と呼ばれるのでしょうか。昔、藍はもっとも広く親しまれた染料だったため染料の総称として使われていました。それで、紅花が呉の国から入ってきたとき「呉の国から来た藍」として「くれあい」と呼ばれるようになり、それが「くれない」になったのです。
藍と呉藍、この二つの色をかけ合わせてできる色なので、いつの頃からか二藍と呼ばれるようになりました。
まず最初に布や糸を藍甕の中に入れて青く染めておきます。
赤い染液は様々な行程を経て紅花から作られます。(紅花染めをご参照ください。)
紅花の染液を用意しておきます。

藍で青く染まった布です。

 
これを紅花の染液の中に入れ染めていきます。
 
紅花で染める時間で、青味がかった紫か、赤みがかった紫か、バリエーションは無限に生まれるのです。  
 
思う色になってきたら烏梅(うばい)を用い、発色を良くします。烏梅とは梅の実に灰の粉をかけて燻(いぶ)したものです。
この烏梅を前の晩から熱湯につけておき、漉して発色液を作ります。
烏梅の液の中に入れると紫は美しく鮮烈な色になっていきます。
最後に真水で水洗いします。
美しい紫の布が染め上がりました。
この二藍は自在に紫の色を変えることができます。
たとえば単純に赤、青ともに5種類づつの色をかけ合わせるとすれば25色の紫ができるのです。

そういうことを平安朝の人は競い楽しんだと思われます。

 

藍染と紅花染を掛け合わせることによって、さまざまな紫色が生まれる。
左の経列は藍染だけの濃淡、上段の横一列は紅花だけの濃淡である。
たとえば、1と一を掛け合わせてA、2と二を掛け合わせてBというように、それぞれの濃淡で掛け合わせて、二十五色の二藍をあらわしてみた。