「室礼でおもてなし」は2001年から2002年にかけて連載されたものです。 それぞれの行事の日は年によって変わるものがあります。
季節の彩りとかわいい猪の人形をあしらい、亥の子餅を主役に。
 一般的にはあまり馴染みの少ない亥の子の祝いですが、江戸時代には亥の月、亥の日には紫の小袖を着て出仕しました。その紫の小袖にならって下に紫色の縮緬を敷いていますが、紫色の布なら他のものでもかまいません。
 その上に載せる板は、ご自宅にあるお盆や折敷など、置く場所や中に置く亥の子餅や人形などにあわせて大きさをお選びください。

 さて猪は武家では武士の守り本尊である摩利支天の使者ともいわれ、あるいは田の神とも信じられていました。また多産である猪にあやかりたいということもあり、大切にされていたのです。この祝いのメインでもある猪ですから、是非お気に入りの猪の人形や置物を見つけて飾ってください。
集めてきた落ち葉や庭に咲く菊を飾りつけていきます。
 その横には亥の子餅を飾りましょう。亥の子餅は11月頃には和菓子店で求めることができます。まず懐紙の輪を手前にし、上の一枚を右へずらしながら半分に折ります。その上にシダを敷き、亥の子餅を置きます。

 さらに菊、もみじ、イチョウを散らせて季節の色彩を加えましょう。これらはかいしき(器に食物を盛る際、下に敷くもの)として一の亥の日にはしのぶと菊、二の亥の日にはしのぶと紅葉、三の亥の日にはしのぶとイチョウを亥の子餅の下に敷いたことに由来しています。それをさらに紙で包む際に使用されたのが写真の玄猪餅包みです。

 お客様に茶菓を差し上げる時は、お客様からみて右側にお茶、左側にお菓子を置くことが基本です。また召し上がりやすいように黒文字を添えます。
リビングのサイドボードの上に
室礼ました。
小笠原流に伝わる
玄猪餅包み。
お客様にお出しするときには
黒文字を添えて