桃花酒(とうかしゅ)もひな祭りには欠かせない。宮中においては上巳の祝いに桃の花を浮かべた酒を飲んでいた。桃の異名が御酒古草(みきこくさ)といわれるのは、こうしたことに基づくともいわれている。
また古来より桃は、邪気を払い百鬼を制す、と考えられていた。伊邪那岐神(いざなぎのかみ)が黄泉醜女(よもつしこめ)から逃げる際、桃の実を投げて危難を脱したという説話がある。
この桃花酒については伝書に
「同日、桃花を酒に入れて飲めば、百害を除き、顔色増すなりといえり。」
と書かれている。
さらに三世紀の西晋の武帝の時代、桃花の流れる川の水(桃花水)を飲んだ人が三百歳までの長命を得たとする故事もあった。
その他、十二月に行われていた追儺においても、桃の弓を使用されていた。
さて雛人形について少し触れておきたい。前述の通り、呪具ではなく、飾りとして人形が扱われるようになったのはいつからであるか。
ひな人形と三月三日が結びついたのは徳川将軍三代家光の頃、あるいは五代綱吉の頃ともいわれている。一説には寛永(1624〜44)の頃に作られた寛永雛と呼ばれる大きなものがひな人形として飾られるようになったらしい。
元禄(1688〜1704)頃には段飾り、享保(1716〜36)頃には小さな享保雛、寛永(1748〜51)頃には二段飾り、明和(1764〜72)頃には三段飾りへと変化をしていったようである。天保(1830〜44)頃には七段飾り、と現代に近い豪華な飾りが作られたという。
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お雛さまを飾って、桃花酒を用意します。
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サイドボードの上に室礼ました。
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さてひな飾りに忘れてはならないもう一つの飾りは、犬張子である。犬筥(いぬばこ)とも呼ばれている。
「宿直の犬一対男は左向きを第一に用いることにて、守を入れるなり。右向きには何にても翫物を入れべし。女は右向きに化粧の道具を入れるなり。」
とあり、現在でも大きなものから小さなものまである。宿直犬(とのいいぬ)、御伽犬(おとぎいぬ)とも呼ばれていたという。
犬は厄除けの象徴ともされ、この犬張子は幼児の無病息災を祈って枕もとに置かれた。
元来は身のケガレを清めるための上巳の節供が、現在では女の子のお祝い日として現在に残っているが、こうしたそれぞれの意味を理解しながら、自分流のアレンジを加えて楽しんではいかがかと思う。
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犬張子です。前述の通り、男の子は玩具、女の子はお化粧道具とそれぞれに入れて飾ったものでした。子供を災厄から守って欲しい、との願いを込めて子供部屋の一角に飾りました。大きめのものだけでなく小さな犬張子を扱っているお店もありますので、室礼にあわせて選ばれてはいかがでしょうか。
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